こんばんは しんちゃんです。
梅雨の時期は湿度も高くて蒸し暑いですね。
梅雨が明けても夏は高温多湿の日本。
しばらくジメジメした嫌な時期が続きます。
そんなジメジメの嫌な時期の対策として、一条工務店では「全館さらぽか空調」という画期的な全館空調システムがあります。
「世界初」と書いてあるように一条工務店が自信を持って勧めるシステムです。
ただ、一条工務店の商品の中でi-smartとi-cubeの2つしか採用する事は出来ません(一番新しい商品のグランセゾンには採用出来ません)。
近年夏の暑さが増しているように思います。
子供の頃より暑くなっています。
一条工務店は全館床暖房で冬は快適ではありますが、夏は快適というシステムがさらぽか発売以前はなかったかなと思います。
一条工務店の家にとってこの夏の対策が問題だったと思います。
しかし、この全館さらぽか空調が発売された事で冬も夏も快適になりました。
一条工務店で家を建てようと考えた方は一度は全館さらぽか空調を採用するかしないかで悩んだのではないでしょうか。
私は一条工務店のi-smartで家を建てようと思ったので、全館さらぽか空調を採用する事が出来ましたが、採用しませんでした。
前置きが長くなりましたが、今回は「気になったけど採用しなかったシリーズ」の第5弾です。
「全館さらぽか空調」について書いていきます。
今回は全館さらぽか空調のシステムについて書いていきます。
目次
全館さらぽか空調ってどんなシステム?
まずは、全館さらぽか空調システムについてです。
簡単に説明すると、「エアコンを使わずに涼しくし、ジメジメした夏の湿度を除湿して快適な空間にしてくれるシステム」です。
「エアコンを使わずに快適な温度で除湿までしてくれる」
という部分が画期的です。
エアコンは省エネだし冷房暖房両方出来るすごい機械ですが、「体に風が当たるのが嫌」という方は多いのではないでしょうか(他には風でホコリなどが舞うのが嫌など)。
昔のような高気密・高断熱ではない住宅では、エアコンは各部屋に設置されていたと思います。
狭い部屋にエアコンが設置されていると、どうしてもエアコンの風が体に当たります。
夏のエアコンが体にずっと当たるのはすごく不快です(風向きを変えても狭い部屋だと風が当たるんです)。
仕事での会議で夏空調近くで風をモロに当たってすごい寒い思いをした記憶があります。
今ではエアコンの風が直接人に当たらない空調システムを採用する事が多いので問題ないのかもしれませんが、「エアコンは快適だけど不快でもある」というイメージがありました。
夏も冬もエアコンを使用しなくていいのは画期的なシステムだなと思います。
全館さらぽか空調~パイプに冷水を流す ~
どのようにエアコンを使わずに部屋を涼しくするのかというと、パイプに水(冷水)を流して各部屋を涼しくします。
一条工務店の床暖房は「温水」を流して各部屋を暖かくしますが、さらぽかでは「冷水」を流します(床冷房)。
全館さらぽか空調~パイプに冷水の問題点と解決策~
ただ、床冷房には2つの問題があります。
1つは、床下結露の問題です。
一条工務店は床下断熱(床断熱)なので、
床下は外気と同じ温度湿度になります。
前にD担当に「なんでグランセゾンは全館さらぽか空調が採用出来ないんですか?」 と聞いたら、「グランセゾンでは結露が発生するの可能性があるからです」と言われました。
上の図は、i-smartの断熱仕様です。
こちら(下の図)がグランセゾン(夢の家I-HEAD構法。他にもセゾン・ブリアール・百年などもです)の断熱仕様です。
私の地域は、省エネ基準地域区分は6地域です(前に書いた記事では5地域と書いていましたが、しっかり調べたら6地域でした。同じ県でも細かく分類されています。すいません)。
なぜか図には、床について3~5地域と2地域の断熱しか書いていないですが(どうしてでしょうか)、6地域もEPS1号相当90mmだと思います(数字が少なくなるほど寒い地域となります。1地域は北海道、8地域は沖縄です)。
硬質ウレタンフォームとEPS1号相当の断熱材では、硬質ウレタンフォームの方が断熱性能は少し高いです。
i-smartの方が断熱性能が高い断熱材を使用しているのに、厚みも厚いです。
- i-smart 硬質ウレタンフォーム 140mm
- グランセゾン EPS1号相当 90mm
(一条工務店HPでは高性能ウレタンフォームと書かれていますが、硬質ウレタンフォームと同じだと思います。もし間違っていたら修正いたします。)
このように床下断熱(床断熱)に違いがあるので(床以外の壁などの断熱材の種類や厚み、構法なども違います)「結露」の問題が出て来るのだと思いますが、i-smartでも少し不安があるようにも感じます。
2つ目の問題は、床が冷たくなってしまう問題です。
これは空気の性質の問題も関係してくると思うのですが、暖かい空気は上に、冷たい空気は下に移動します。
暖かい空気は上に行くので冬の「床暖房」については足元を暖めても暖かい空気は上に行くので、足元だけではなく部屋全体が暖かくなるのですが、夏のさらぽかの「床冷房」は少し違ってきます。
さらぽかの「床冷房」では足元が冷たくなるのですが、冷えた空気はそのまま下に残る事になります。
その結果、冷水を流しているパイプの影響と冷たい空気の関係で床が冷たく感じるのではないかと思います(一条工務店では冷水約25℃ほどを推奨しているのでそこまで冷たくはないとは思うのですが)。
その問題を解決する方法が、各部屋に設置されたサーキュレーターです。
このサーキュレーターにより、下に溜まっている冷たい空気を上などにかき混ぜる事が出来ます。
床部分が特に冷たくなるのを防ぐので床下結露対策になると思います。
全館さらぽか空調~デシカント換気システム~
パイプに冷水、サーキュレーターの他にもう1つのシステムがあります。
先ほどの結露対策の解決策にもなっているのですが、「デシカント換気システム」です。
除湿の方式には、
- コンプレッサー方式
- デシカント方式
の2つの方式があるのですが(2つの方式を使用するハイブリット方式というのもあります)、全館さらぽか空調ではデシカント方式を採用しています。
簡単に2つの方式の違いを書くと、
- コンプレッサー方式は、空気を冷却する事により発生する結露を利用して部屋の空気の水分を取り除きます。
- デシカント方式は、ゼオライト(乾燥材)に水分を吸着させる事により部屋の空気の水分を取り除きます。
となります。
これにより夏のジメジメした空気をカラッした空気に変えて室内に取り込みます。
ロスガードにも湿度交換機能はありますが、「交換」なので夏の空気があまりにもジメジメ(多湿)しているので、どうしても湿った空気が入ってきて家全体の湿度も上がってしまいます。
家中の湿度が下がれば温度がそこまで低くなくても快適だし、床下結露の心配も少なくなります。
「パイプに冷水」「各部屋のサーキュレーター」「デシカント換気システム」この3つが全館さらぽか空調システムとなります。
(高気密・高断熱ももちろん重要です)
最後に
今回は全館さらぽか空調のシステムについて書きました。
全館さらぽか空調については、最後まで採用するかしないか悩みました。
気になったけど採用しなかったシリーズの「全館さらぽか空調」については色々書きたい事があるので、次回も書いていきます(全部で3部ぐらいになる予定です)。
知識不足で間違っている場所などありましたらすいません(コメント頂きましたら修正いたします)。
全館さらぽか空調、すごい画期的なシステムだと思うのですが。
どんなシステムにもメリット・デメリットがあります。
次回は「メリット」を中心に書いていきます。
最後まで読んで頂きありがとうございました。